温故知新
ゴールデンウィークに自宅の階段下の物置を整理していて懐かしい物を見つけました。
その昔、と言ってもわりあいに最近までの話なのですが、ゴルフボールには2種類の公認球があったのをご存じでしょうか。(ご存じの方はゴルフ歴30年以上、とお見受けしますが・・)
北米を除く世界のすべての地域におけるゴルフの統轄団体であるR&A(英国ゴルフ協会)が規定したボールと、北米地域の統轄団体であるUSGA(全米ゴルフ協会)が規定したボールの2種類です。
上の写真を見てその違いが判るでしょうか?
3つのボールの内、上と下の2つがR&Aのボール、真ん中のがUSGAのボールです。よく見ると、僅かですが、大きさが違うのです。
その違いは、ボールの直径で0.06インチ・・約1.5mmです。
R&Aが規定していた小さいボールは通称 “British Ball” または “Small Ball”、USGAボールは “American Ball” または “Large Ball” と呼ばれていました。
1990年に両協会がボールの大きさの規定を統一するまで、4大メジャーを含むプロの試合でも長年この2種類のボールが使用されていました。R&AとUSGAが合意したボールの大きさはUSGA規定のもので、今に至っています。
Would Golf Hall of Fameの文献を読むと、ボール統一以前の様子について、以下のようなことが書かれています。
USGAルールで開催される試合はUSGA規定のボールのみが使用可能、R&Aルールで開催される試合はどちらのボールも使用可能。ただし、Ryder Cupのような国際試合では、開催コースがアメリカの場合でもどちらのボールも使用が可能。
また、The Open(全英オープン)に出場した大多数の米国人選手は、全英オープンでは好んでSmall Ballを使用した。
それをした選手には、Arnold PalmerやJack Nicklausも含まれている。
なお、World Golf Hall of Fameのミュージアムには、1961年のRoyal Birkdaleで開催された全英オープンで優勝したパーマーが使用したSmall Ballが展示されている由。
さて、物置から出てきたボールの箱も注意して見てみると、”SMALL”、”LARGE” とそれぞれにちゃんと表記がされていますが、私がゴルフを始めた当時、日本ではSMALLしか売っておらず、そもそもLarge Ballなんていうボールがあることも知りませんでした。(写真のボール・・ブランドや名前も懐かし〜い!)
ちなみに、写真のボールはすべて今は亡き「糸巻き」ボールです。
ボール表面もバラタと呼ばれる天然ゴムの素材が使用されていて柔らかく、いわゆる「芯を喰った」時は、クラブフェースに吸いついたような感覚が何とも言えず良いものでしたが、耐久性が無いため、アイアンでトップしてしまうと、1回で表面が切れて、中のゴムの糸が見えてしまって使えなくなる、という代物でした。
そういえば・・このボールでゴルフをしていた時代のドライバーやフェアウェイウッドは、正真正銘の “Wood”・・パーシモンでできたクラブでしたねぇ。
あ、年がバレてしまいますね。