ナイキとアディダス
ナイキやアディダスのシューズを持っていない人はごく少数ではないでしょうか。
ナイキは売上世界No.1のスポーツブランド(約8兆円)で、アディダスは世界第2位(約3.5兆円)の売上を誇ります。
売上だけで見ると、ナイキはアディダスの2倍の規模があります。
ただし、2024年はナイキの売上がほぼ横ばいだった一方で、アディダスは10%以上の成長を遂げました。市場シェアが少しずつ変化しているようです。
そんなナイキとアディダスですが、箱根駅伝のシューズシェア率では、1位アディダス、2位アシックス、3位ナイキという結果でした。
大多数のランナーがナイキを着用していた2021年の箱根駅伝(厚底ブーム)を考えると、この変化は興味深いですね。
日経新聞によると、
「2024年から1位はアディダスになり、アディダスやアシックスはランナーの意見を新製品開発に取り入れた。アディダスは1足8万円台と高価格だが、従来品から40%軽くしたシューズなどを開発した」
とのこと。
アディダスは、2025年までの長期計画「Own the Game」戦略を遂行しており、
サッカー、ランニング、トレーニング、アウトドア、そしてライフスタイルの5つの戦略的カテゴリーを成長させる方針を掲げています。
また、売上の50%以上をD2C(Direct to Consumer=直販)経由にすることを目標とし、ECサイトや直営店舗の強化も進めています。
特にライフスタイルカテゴリーでは、「サンバ」や「ガゼル」の人気が顕著です。
これは単なるレトロ回帰ではなく、「グッチ」「ウェールズ・ボナー」などのファッションブランドとのコラボレーションや、サステナブル素材の活用を通じて、欧米市場での売上成長を後押ししていると考えられます。
セレブやインフルエンサーの着用も、この人気をさらに加速させています。
特に欧米市場では、スポーツウェアとストリートファッションの境界が曖昧になっており、
アディダスはこの流れに乗って、スポーツブランドから「ライフスタイルブランド」へとポジションを強化しています。
実際に、2024年第1四半期の欧州市場売上は前年同期比14%増を記録しており、
クラシックモデルの人気復活が大きく寄与していると見られます。
プロモーションだけを切り取ると、ナイキはアスリートや社会的なメッセージが強い一方、
アディダスはライフやカルチャーの要素が強い印象を受けます。
個人的な私の意見としては、
その分野でのトップ企業は単にブランディングを訴求するだけでなく、社会に対して一定の責任を持つべきだと思います。
ナイキのような企業にとって、ジェンダーレスなメッセージの発信は、もはやブランド戦略の一環として不可欠でしょう。
極端な話、スポーツという枠を超えて、環境問題に意見しても、その存在意義が成り立つのではないでしょうか。笑
スポーツブランドは、ただのファッションではなく、社会を動かす存在になりつつあります。
そんな未来をつくるコミュニケーションに関わっていきたいですね。