2024.10.09

広告コピーの魅力に触れて-読書の秋-

駆け出しの頃、「デザインを言語化しなさい」とよく指導されていました。
私は言葉での表現が苦手で、なかなかうまくいかず苦戦していました。

ビジュアルで伝えることには徐々に自信がついてきた一方で、
言葉での表現には苦手意識が残っており、
自然と著名なコピーライターの書籍を手に取る機会が増えていきました。

今回紹介するのは、コピーライター児島令子さんの
『私、誰の人生もうらやましくないわ。―児島令子コピー集め』です。
この本を読み、言葉が持つメッセージ性に再び気付かされました。

児島さんのコピーは、広告でありながら、
一言一言がまるで短編小説のように情景を浮かび上がらせます。
短いフレーズの中に、人生や感情が凝縮されており、
読むたびに小さな物語に引き込まれるような感覚になります。
ビジュアルや映像がなくても、
言葉だけでこれほどまでに心に響く情景や感情を伝えられる
その力に深く感動しました。

特に印象的なのは、言葉が人に何かを強く感じさせ心に深く刻まれるという点です。
広告は情報を伝えるだけのツールではなく、
言葉はその役割を超えて、物語や風景を自然に思い起こさせます。
言葉ひとつで感情を動かす力があることを改めて実感しました。

近年では、フレームワークや思考法に関する書籍に触れる機会が増えていますが、
私たちの仕事は単純な計算式で解決できるものではありません。
だからこそ、言葉が持つ影響力を理解することが
今後、ますます重要になると感じています。

秋は「スポーツの秋」「食欲の秋」「読書の秋」といわれるように、
さまざまな楽しみ方がある季節です。
どれも新しいインプットを得るには絶好の機会。
私はこの秋、さらなる発見や学びを追求していきたいと思っています。

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