クレイキングとダークヒーロー
皆様は昨日の全豪オープンテニス決勝を見られましたでしょうか?
今大会の男子決勝シングルス、ナダルとメドベージェフが歴史に刻まれる熱戦を繰り広げました。
全仏オープンで13度のタイトルを持つナダルがもし勝てばグランドスラム21勝となり、歴代最多のグランドスラム勝利数となります。
そしてナダルに挑むメドベージェフ。彼は昨年の全米オープンで、ジョコビッチの年間グランドスラムを阻み、レジェンド達にとってストッパー的なキャラとなっています。
ふてぶてしい態度で感情を露わにし、コースを読ませない強烈なストローク。
若きこの選手は今までにいないタイプで、ダークヒーローの役回りです。(筆者は好きな選手で、応援しています)
試合は始まってから2セットをメドベージェフが先取。誰もがメドベージェフの圧勝を確信。
全盛期のナダルを知っている私はショックと寂しさがありました。
ナダルの盤石な深いストロークと、コートを縦横無人に走り回る体力に明らかに陰りが見えていたからです。
ボールが浅く、昔は届いていたボールに追いつけないシーンも多く見られました。
ナダルが登場した時、当時活躍をしていたスター選手を次々に倒していった。。。今大会もそんな世代交代を予期させました。
私が部活時代のスターがまさにナダル。学生選手の多くがナダルの強烈なスピンを求めて、バボラ社の黄色いラケットに切り替えていました。
ただ、グランドスラム20勝のナダルがここから本領発揮しました。会場の応援の後押しもあったと思われますが、3セット目から一気に攻めのプレーに転じます。
ナダルらしい回り込みフォアが炸裂。回り込める球は全て回り込み、スピンの効いた球でメドベージェフを追い込みます。回り込みが増えるとナダル自身の体力を削る事にもなりますが、迷いは無し。
そして、元々はクロス主体のバックハンドから繰り出されるダウンザライン。メドベージェフの読みを外し、ノータッチエースで翻弄します。
極め付けはフォアで走らされた時のパッシングショット。クレイコートでのナダルのフットワークを彷彿とさせる動きでリーチの長いメドベージェフのネットプレーをパスで無力化しました。
5時間20分後、ナダルが勝利しました。歴代最多のグランドスラム21勝を手にしました。
35歳のナダルがまだまだ伸び代を感じさせ、試合中に進化をしていく姿に私は色々な刺激を受けました。
ナダルのように粘り強く、諦めず、ポジティブに仕事に取り組んで行きたく思います。そしてメドベージェフのように何事にも堂々と立ち向かっていきたく思います。