アメリカスカップ・ワールドシリーズ ヨーテボリ大会
8月最終週にスウェーデン第2の都市ヨーテボリ(英語表記:Gothenburg)にて、アメリカスカップ・ワールドシリーズ ヨーテボリ大会が開催されました。
「アメリカスカップ」という名前は、海外でやっているヨットの大会ということで聞いた事あるかも知れませんが、日本ではよく知らない方も多いと思います。実はスポーツに於いては世界最古のカップを懸けた大会として、セーリングスポーツの盛んな国々では大変人気と権威のあるものとなっています。
その歴史の長さもさる事ながら、昨今のアメリカスカップでは、洋上のF1と称されるように最先端のテクノロジーを駆使した争いが繰り広げられています。そして、オリンピックスポーツであるセーリングのメダリスト達がこぞってチームのクルーに選ばれ、質実共に世界最高のパフォーマンスを魅せてくれています。
そのアメリカスカップの最終戦は2017年に大西洋に浮かぶ島・バミューダにて一騎打ちで行われます。防衛するのは2013年に2回目の防衛を成し遂げたオラクルチームUSAというアメリカチームですが、挑戦チームを決める為の前哨シリーズが、今年から始まっています。参戦するのは、アメリカの他にイギリス、ニュージーランド、スウェーデン、フランス、そしてなんと今回は日本も入っているんです。また、この前哨シリーズは、各チームのテクノロジーを洗練させていく場でもあります。
今年は、7月のポーツマス(イギリス)、8月のヨーテボリ(スウェーデン)、そして10月にバミューダ、の3試合が行われます。
前置きが長くなりましたが、その第2戦目のヨーテボリを観戦してきました。ヨーテボリの8月は、最高気温が22度前後と非常に涼しく過ごしやすく、大雨だった木曜日を除いては快適なイベント観戦日和となりました。
当社は、2013年よりアメリカチームのオフィシャルテクニカルパートナーとしてチームと共に3度目の防衛を目指すヤンマーさんのお手伝いをさせていただいており、アメリカチームを応援しておりますが、第1日に行われた2レースおいては、アメリカチームが圧倒的な強さを見せて、連勝しました。この日は、最高の天候のもとで、適度な風が吹き、波が穏やかというベストコンディションでした。
2日目も天気は良かったのですが、風が弱く、風が頼りのヨットにとっては難しいコンディションで、波乱の展開となりました。1レース目は地元スウェーデンチーム、アルテミスレーシングが勝利、そして2レース目はニュージーランドチームが勝利しました。2レース目においては、日本チームも最高のスタートを見せて、ニュージーランドとの接戦の末、僅かに及びませんでしたが、見事2位という結果を収めてくれました。
ヨットレースの観戦の見所はスタートでの駆け引きと、風向きと潮の流れを綿密に計算して、タクティシャンと呼ばれる参謀がクルーに指示するコース取りにあります。正直、何もわからないまま観戦していてもポイントが理解できないので、楽しめません。現地でも実況、解説のアナウンスによって洋上の様子が詳細に伝えられ、状況を把握した観客が随所で起こるバトルポイントに熱狂するという構図があります。
是非ともこの面白いコンテンツを日本語で皆様にお届けし、少しでも多くのアメリカスカップファンを日本の地で増やせたらと思っております。