ラグビーワールドカップ開幕直前 – 日本代表戦
先週は何かと日本のラグビー界に関する話題が多く報じられた週でした。
エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチのワールドカップ2015大会終了後の辞任と南アのクラブチームHCへの就任発表、スーパーラグビーへの日本参戦危機問題、ワールドカップ2019の日本開催白紙の可能性、等々、どれもネガティブな話題でした。
そんな中、8月29日に秩父宮ラグビー場で開催された「リポビタンDチャレンジカップ2015」日本代表対ウルグアイ代表戦を観戦してきました。
3週間後には開幕するワールドカップイングランド大会前最後の国内での代表戦であることや、渦中のエディー・ジョーンズHC率いる日本代表チームの国内最後の試合となることも手伝ってか、秩父宮ラグビー場は超満員とはなりませんでしたが、小雨模様にも拘らずめずらしく(?) スタンドの9割程度が埋まる大勢の観客が詰めかける盛況ぶりでした。
メインスタンド最上部の部屋には日本ラグビー協会現会長、前会長、ワールドカップ組織委事務総長他、日本ラグビー界のお歴々も顔をそろえての観戦でした。先週福岡で開催されたウルグアイとの第1戦では日本代表が30-8で勝利したものの、HCや選手自身のみならず関係者からも多くの課題が指摘されましたが、今回の試合はエディー・ジョーンズの言う “最強のメンバー” で臨み、開始早々のFB五郎丸選手のトライを皮切りに6トライを重ねて40-0の完封で勝利するという見事な試合でした。
エディー・ジョーンズが今年4月「ラグビー日本代表決戦の年」と題して講演したセミナーでポイントとして挙げていた (1) 試合開始10分以内に点を取る (2) マイボール・ラインアウトは確実にキープする(今回の試合ではキープ率は100%) (3) 日本の得意な早いパス回しで相手ディフェンスに穴を開ける、といった点に関してはこの試合ではほぼ完璧にできていたと感じました。また、先週までの試合では多く見られた密集戦で相手にボールを奪われるという場面はほとんど無く、逆に相手のボールを奪うターンオーバーは日本代表の方が多く、ワールドカップに向けて長く行われていた合宿の成果は着実に発揮されていたように思いました。
代表HCを務めた4年間で日本のラグビーの実力を着実に向上させた、と評価の高いエディー・ジョーンズですが、講演やインタビュー内容なども加味して推測するに、彼は卓越した計画性/マネジメント能力/幅広い人的ネットワークを持っており、有能な人を適所に配置してチームのパフォーマンスを最大化することができる人なのではないかと。
間もなく開幕するラグビーワールドカップ2015での日本代表の活躍と、日本ラグビー界の大いなる奮起に期待しております。