エビアンマスターズジュニアカップ2011
宮里藍さんの2度目の優勝で幕を閉じたエビアンマスターズ。その前週の7月16~17日には同じコースでエビアンマスターズジュニアカップというジュニアの国際大会が開かれていました。15カ国から14歳以下の男女が集まり、個人の部、団体の部で実力を競う2日間競技です。日本からは5月に開催されたロレックスジュニアゴルフチャンピオンシップで上位入賞したメンバー男子2名、女子2名がエビアンに乗り込みました。私はこのメンバーに同行し、初のエビアン訪問となりました。
ジュネーブ空港から国境を越えて車で1時間半ほど、レマン湖のほとりのエビアンはリゾート地としても知られています。街の中心部からもほど近い場所にエビアンマスターズGCは位置しています。到着翌日は練習日ですが、コース保護のため、パターのみ持って、歩いてのラウンドとなりました。遠景にレマン湖が見え隠れし、アルプスの山並みも所々に顔をのぞかせる、気持ちよい眺めのコースです。夕方には開会式が開かれ、毎年恒例のピンズ交換で他国の選手と交流しました。この大会にはボランティアの子供たちも大会運営のお手伝いをしていて、日本の選手たちは小学生にも満たないかわいらしい子供たちに日本の食玩消しゴムをおねだりされていました。
15カ国からジュニアゴルファーが集結!
他国の国旗ピンズがあっという間に集まっていきます
競技初日は日差しを浴びながらきれいに晴れ渡ったコースでしたが、日本チームのメンバーは速いグリーンに苦しみ思うようなスコアが出ません。外国人選手とのラウンドでの緊張感もあったのか、それぞれ70台後半のスコアに甘んじてしまいました。日本のジュニア界では輝かしい戦績を持つエリート選手たちは、この成績には納得がいかず、ホールアウト後は食事もそこそこに練習グリーンに向かいました。
18番グリーンは設営物も整い、既に本大会の雰囲気で満ちています
巻き返しを誓った2日目は残念ながら朝から強い雨…スタート時間は後ろにずれこみ、回復を待ちましたが、雨は弱まらず最終的に競技は中止の判断となりました。プレーで巻き返すチャンスを失った選手たちは悔しそうで、周囲ももどかしかったのですが、選手にとってはこれもひとつの経験。その日その日で良いプレーを発揮しなければという事を実感したのではないでしょうか。
団体優勝はスペイン。2位アメリカ、3位フランスという結果になりました。15時ごろから雨は止み、晴れ間が見えてきました。もっと早く止んでくれれば!と思ったものの、その日の夕刻からの表彰式ではお天気同様、選手たちもすっきりとした表情になっていました。他国の選手たちと少しずつ打ち解け、夜のパーティーではダンスにも挑戦したとか。言葉はそれほど話せなくても、コミュニケーションができてしまうのは適応の早いジュニアならではですね。
キャサリン・ハル選手とともに記念の1枚
国際試合の雰囲気をかみしめて帰国した選手たちは、皆すぐさま別の国内大会に出場することになっています。大人顔負けのハードスケジュールですね。ほろ苦い成績の悔いはグリーンで晴らしてくれるはず…選手たちの夏は始まったばかりです。
全英オープンに行ってきました(ラウンド篇)
今回は特別に、観戦に加え、翌日の月曜日にラウンドをさせていただけるという、何とも幸運な機会を得ることができました。
8時半頃に車でロンドンを出発。2時間程かけてロイヤルセントジョージズGCに到着。プレーヤー用の駐車場を探しながら車で進んでいくと、誰にも声をかけられることなく18番スタンドのすぐ裏まで入ることができてしまいました。そこで、作業している人に駐車場の場所を聞いたところ、「みんなその辺に停めてるから、適当にその辺に停めておけば良いんじゃない?」といったアバウトな回答が。マスターズの翌日月曜日のオーガスタナショナルですと、入口のゲートで警備員に招待カードと身分証明のパスポートを提示しないと入れてもらえず、しかもプレーヤーしかコースには入ることができません。それに比べると今回は非常に対照的な緩さ加減で、拍子抜けしてしまいました。
普段はメンバーオンリーのクラブハウスも解放されていました。クラブハウスのラウンジでは、アサヒビールのサーバーを発見。調べてみると、サンドウィッチからそれほど遠くないケント州のフーヴァーシャムに工場を持つシェパード・ニーム社でアサヒスーパードライを委託製造・販売しているようです。また、イギリスでのスーパードライ人気は、若い人の間で年々上昇しているようです。
トム・ルイスは2009年にここロイヤルセントジョージズで行われたボーイズ・アマチュア選手権で優勝していたそうで、ラウンジのチャンピオンズボードに名前が刻まれていました。どうりで初日トップな訳です。クラブハウスの廊下には、他にも昔の1800年代のヒッコリーシャフトのクラブや、歴史的な選手の写真やスコアカード等のお宝がたくさん展示してありました。
アプローチ・パット練習をたっぷりして、1Hへ。スターターから「前の組来ないから先に行く?」などと、またまた緩い感じで言われながら待っていると前の組が到着。談笑しながら緩い感じでスタートして行きました。
キャディーは地元の人が1プレーヤーに1人ずつ付きます。彼らはコースも芝も風も熟知しています。初めは、どれだけボールを無くすのか?と心配して1ダース以上持って行ったのですが、結局OBになった1球以外は、ブッシュの中から全てキャディーが見つけ出してくれました。
低い球が打てないと距離感が全くつかめず苦労しましたが、中盤からは完全にキャディーに番手を選んでもらってプレーしたので、大きなトラブルにはなりませんでした。但し、ブッシュやバンカーに入るとほぼ1ペナルティ同様にフェアウェーに出すだけ。
名物の4番ホールのお化けバンカーはというと、ドライバーで打つと軽く上を超えて行ける距離にあるので、トップして低い球で無い限り入ることはありません。コースに行く前は、アイアンで狙ってバンカーに入れて体験すべし!と思っていましたが、風が強く狙って入らないとお寒い雰囲気になるのでやめておきました。
グリーンは前日から刈ってないようで、普通のゴルフ場レベルでした。ですが、風の影響でラインが変わることもしばしば。こちらもしっかりとキャディーの言うことを聞く事が賢明です。
スループレーなので、あれよあれよと言う間に最終ホールへ。ラウンドは儚くて短い夢のようなひと時でした。
スコアは・・・・直接御本人までお問い合わせください。
全英オープンに行ってきました!(観戦篇)
AAC協賛の関係で全英オープンのホスピタリティアクセス付のチケットがあるとのことで、勉強の為に行かせていただきました。
今年の開催地はロイヤルセントジョージズ。ロンドンから南東に位置するリンクスコースです。ロンドンよりも若干暖かいとのことでしたが、20℃を越える気配もなく海水浴には到底及びません。
最終日は、お昼頃から度重なる強雨と強風で過酷なコンディションの中の観戦となりました。ただ、地元のギャラリーは雨に慣れっ子なのかよっぽどの豪雨にならない限りなかなか傘を開きません。また、普通の傘を開いても強風に煽られて折れてしまうので、風を通すゴルフ用の傘以外はあまり見かけませんでした。そして、帰り際のゴミ箱には壊れた傘が大量に捨ててありました。
思っていたより大小のアンジュレーションがたくさんあり、マウンテンバイクのコースみたいで、脇を歩くのも結構たいへん。名物のブッシュは膝丈程に長く、踏み慣らされた観戦用けもの道以外を通ると靴がびしょ濡れに。
でも、このような中での観戦は、台風の中でハイテンションになるような感覚と同様で、選手の絶妙なスーパーショットを見ると一層盛り上がります。
私は池田勇太選手の組を中心に観戦してきましたが、この組は、日本人ファン達とスーパーアマチュアのトム・ルイスのファン達で、多くのギャラリーを引き連れていました。
トム・ルイス選手は、Ryeで行われた地元最終予選会に優勝して出場権を得た選手で、ルックスも良く、“Come On Tom Lewis!”というTシャツを来た若い追っかけ女性ファンを何名か見かけました。プロに全くひけをとらない堂々としたプレーで、ベストアマチュアを獲得。彼は近い将来、必ずやゴルフ界のヒーローとなるでしょう。
優勝したダレン・クラーク選手については、酒と葉巻の愛好家で有名だそうですが、5年前に妻を亡くし息子2人を男手1つで育て、引退まで考えたという彼の辛い近年の状況からの偉大なるカムバックということで、特にイギリス、アイルランドの酒好きのゴルフファンには堪らない、同士の勇姿と快挙だった事でしょう。翌日の新聞にも、彼がクラレットジャグでお酒を飲む写真が掲載されていました。
ロンドンへの帰路はHigh Speed Line(新幹線)にて。コースからサンドウィッチ駅までは、麦畑と民家の間を列をなして歩くこと1時間弱。ズルして近道しようと列から外れる人がいると、交通整理の警官からの怒号が!!そちらを見ると鬼のような形相で行列を睨んで(監視して)いました。とても威厳があります。
また、歩いてる間もステンレスのウイスキーボトルを片手に飲み続けるお爺さんがいたりと、イギリスらしい光景がところどころで見られました。