ラグビー・トップリーグ、満員札止め(?)で開幕
ラグビー・ワールドカップ(RWC)・イングランド大会での日本代表チーム大活躍の熱気が冷めやらぬ中、国内リーグであるトップリーグの2015-16シーズンが、開幕節数試合分のチケットが前売り時点で完売するという、トップリーグ史上例のない “異常な” 状況下で、先週幕を開けました。
11月13日の秩父宮での開幕戦も全席前売り完売となり、今まで私が長年やってきて失敗したことがなかった “当日券を買って観戦” ができないため何とか入手したチケットでの観戦となりました。この開幕戦は3連覇を狙うパナソニックと王者奪還を狙うサントリーというビッグな対戦カードだったのですが、この両チームは、合計11人ものワールドカップ日本代表メンバーを輩出しているだけでなく、南アフリカやサモアの代表メンバー等も何人も在籍している、いわば国内2大最強チーム。
試合は、日本代表のウィング山田章仁選手の前半での2トライを皮切りに、後半にはフライハーフからの絶妙なキックパスを見事にキャッチしてトライを決めた南ア代表のJ.P.ピーターセン選手などの好プレーで38対5とパナソニックの圧勝だったのですが、サントリーも唯一のトライはサモア代表のトゥシ・ピシ選手が決めており、全体的にはワールドカップの各国代表メンバーの活躍が光る内容でした。
この日、私が活躍を楽しみにしていたサントリーに所属している南ア代表の2選手(先日のRWCで大車輪の活躍を見せたスカルク・バーガーと、キャプテンを務めたフーリー・デュプレアの両選手)はワールドカップ後の休養のためかベンチ入りはせず、スタンドの選手席からの “観戦” だったのがちょっと残念でしたが、ワールドカップはもう過去のこと、とでもいう意味なのか、バーガー選手はトレードマークの長めの金髪を短く切り、すっきりした表情でデュプレア選手とともに試合の行方を真剣に見守っていました。
さて、この試合の前日に開催されたラグビー・フォーラムでは、日本代表ジェネラル・マネジャーの岩渕健輔氏とラグビー・ジャーナリストの村上晃一氏が対談形式でRWCイングランド大会での日本代表の活躍を振り返ったり、4年間におよぶ代表チーム作りの苦労話や裏話、ヘッドコーチだったエディー・ジョーンズ氏の素顔、2019年に日本が開催国となる次回WCに向けた方針や課題などについて、両氏のいつもの軽妙なやりとりで披露してくれました。
これからの日本のラグビー強化の課題としてフォーラムで岩渕氏が力説していたのは以下の点でした。
(1)海外の強豪チームとの試合を可能な限り増やすこと
(2)選手のみならず指導者やレフェリーもどんどん海外の強豪リーグに出て経験を積むこと
(3)ラグビーユニオンの世界統括組織であるワールドラグビーとのパイプを太くすること
詳細は明らかにされませんでしたが、すでに来年は6月、7月、11月にTier-1の国を含む強豪国とのテストマッチの開催がほぼ決まっているそうです。また、選手のレベルではすでにここ2〜3年でスーパーラグビーに参加する日本選手が増え、その全員が日本代表メンバーとしてRWCでも活躍をしました。そのスーパーラグビーの2016シーズンには日本の参加が決まっており、開幕まであと3ヶ月余りとなりました。
また、先週来日していたワールドラグビー会長のラパセ氏は「日本はラグビーの世界展開上、最重要国の1つであり、南半球の “The Championship” への参加も後押しする」とまで発言しています。
フォーラムの第2部、会場から集まった質問に答えるコーナーでは、平素のフォーラムで出される質問票の3~4倍ほどの数が集まり、ここでもラグビーへの関心が急激に高まったことを窺うことができました。
当然ながら出てきた代表的な質問は、「次期ヘッドコーチは誰か?」でしたが、驚いたことに一番多かった質問・コメントは「代表チームはさまざまなことを変えたことで成功を収めたが、協会自体はどのように変わろうとしているのか?」「いままでと同じことをやっていてはラグビー人気は一過性のブームで終わってしまうのでは?」等々、国内の統括組織に対する不安と期待が入り交じったやや批判的ともとれるものでした。
こともあろうに、13日の開幕戦・・・満員札止めのはずの秩父宮はバックスタンドサイド席やゴールポスト裏の客席はガラガラで、協会が急遽会見を開いて陳謝する事態となりましたが、これもワールドカップによって国内の状況も急に、且つ大きく変わったことに対応しなかった結果と考えれば、この事象はわれわれの平素のビジネスにおいて他山の石とすべし、ということでしょうか。
ラグビー界には各方面でますますダイナミックな動きが必要になることでしょう。2019RWC日本大会にむけていっそうの奮起に期待しましょう。
東京モーターショー2015
先週、東京ビッグサイトで開催されていた東京モーターショー2015に行ってきました。
平日の午後でしたが、ビジネス関連と一般の来場者が半々という構成で会場内は大変賑わっていました。特にモーターショーはビッグサイトのイベントの中でも使用するスペースが広いので、少し見て回っただけでも非常に疲れました...。
会場には、未来を感じさせる展示物やコンセプトカーがあり、必ずしも従来の“車”というカテゴリーには収まらないアイデアがあり、様々な驚きがありました。そこで目にしたものの中から、私が感じた少し先の日本社会においてよりスタンダードになっていきそうなものを2つ紹介します。
1. ワゴン型タクシーニューヨーク市で採用された日産自動車の車です。この車に限らず、東京など都心では、以前に比べワゴン型タクシーを目にすることが多くなったと感じています。日本のタクシーはセダン型が一般的ですが、そもそもセダン型は、乗り降りを考えると高齢者に優しくないですし、荷物を収納するスペースも限られるため、機能性を考えるとワゴン型が普及していくのは自然の流れだと思っています。
2. イベントのチケットレス入場今回は入場チケット購入時に、Tポイントカードをチケット代わりにするサービスが選択できたので、それを選択し、当日はポイントカードだけを持って入場しました。このイベント入場管理におけるチケットレス化はアメリカではかなり進んでおり、私は久しくアメリカのスポーツイベントに来場する際、いわゆるチケット原本(厚紙にイベント内容が印字され、それをゲートでもぎってもらうもの)を手にして入場した記憶がありません。今回のようなカードや、またスマートフォンの画面に表示させたコードを読み取らせる方式が多く見受けられます。そうでなくても、コードが印字された紙をプリントアウトして持って行く程度ですので、言葉としては“チケットレス化”というより“原本の受け渡しレス化”です。これから日本のスポーツイベントでもどんどんこの流れが加速していくのではないかと思っています。最後に、上記のトピックとは関連しませんが、モーターショーで見つけたものとして驚いたのは、メルセデス・ベンツブースで展示されていたF1マシンのフロンノーズ(またはフロントウイング)です。F1カーも空力設計が複雑化していくと、ここまで奇妙な形になるのかと、昔のシンプルな形の時代に熱狂していた1人としては複雑な気持ちになりました。
ニューヨーク 再開発プロジェクト
先日アメリカスカップ・バミューダ大会の帰国時に、ニューヨークに立寄る機会があり、ハドソンヤード再開発地域を見てきました。このプロジェクトはアメリカの民間開発で過去最大規模と言われており、至る所にクレーンが伸びており着々と開発が進んでいる様子をハイラインの陸橋から眺める事ができます。 ハイラインとは、過去の高架貨物線跡を空中緑道として2009年からオープンしているエリアで、今では様々なアート作品が織りなすオシャレなお散歩コースやデートスポットとして人気です。ハドソンヤード再開発地域は、このハイラインの最北端の34番通り付近にありますので、この両方のエリアを楽しむツアーの観光バスがたくさん停まっていました。
看板を見ると、中心に位置すると思われる大きなタワービルが2016年6月末、後追いで建設されるツインタワーらしきビルが2020年の冬に順次完成していくという事で、今後も新しいニューヨークの名所として最も注目されるエリアとなっていくでしょう。ハドソン川に面したウォーターフロントエリアですので、もしかしたら近々に何かしら大きなマリンイベントが実施されるかも知れません
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