Masters 2016 インターネット・ライブ中継
2016年のマスターズ開幕まであと1週間となりました。
当社はTBSのマスターズウェブサイトにおいてインターネット動画配信を2008年から実施しており、今年で9年目を迎えることになります。一昨年からは、それまでのハイライト動画のオンデマンド配信に加えて、大会4日間のライブ中継の配信を、また昨年からはSNSの記事とリンクした各動画の配信も開始しています。
特に当社のライブ中継配信は、標準の動画配信プラットフォームに当社が独自に開発した多様でユニークな機能を追加することにより、視聴者はもとより、サイトの運営にご協力をいただいている各スポンサー様にとりましても満足いただけるサービスになっているかと思います。中継される動画はPCのみならずスマホやタブレットでも視聴が可能です。
では、2つの大きな特長をご紹介します。
1.4チャネル同時配信
ライブ中継は以下の4チャネルを同時に配信しており、お好みのチャネルを随時選択できるようになっています。
・チャネル1: 実況付きマルチLIVE
・チャネル2: 注目ペアリングLIVE
・チャネル3: アーメンコーナーLIVE
・チャネル4: 15H & 16H LIVE
チャネル1では競技の模様を、伊澤利光プロ、杉澤伸章プロキャディー、内藤雄士プロコーチによる解説付きの日本語実況で中継します。チャネル2〜4は大会会場のAugusta National Golf Clubからの映像/音声を中継します。
2.CMのユニークな配信
PCでの視聴に際してはテレビでの放送とは異なり、CM専用のビデオプレーヤー(スクリーン)を競技中継用のビデオプレーヤーとは別にCM配信中だけ表示することにより、競技の中継を中断することなくCM配信を可能にしました。(スマホ/タブレットではチャネル選択時に冒頭でCMを視聴後、競技中継の視聴が可能です。)
また、各スポンサーのCMが均等に配信されるようCM配信システムは複雑なロジックのもとに、視聴される各種の端末の条件に合ったフォーマットで配信されます。
さて、このライブの配信がどのようにして行われているかを簡単に解説してみましょう。
1.まず、配信される各映像そのものは大会会場のAugusta National Golf Clubから国際専用回線を経由して東京赤坂のTBSまで送られてきます。
2.TBSの局内ではネット中継専用のスタジオで映像の編集作業や解説/実況の音声挿入などを行い、同じスタジオ内で作業する当社に映像/音声がケーブルを介して渡されます。
3.中継する映像/音声はそのままではネットでの配信ができませんので、元の映像/音声を受け取った当社技術者は、まず素材をネット配信用のフォーマットに高速でデジタル化(エンコード)します。
4.高画質のままエンコードされた映像/音声データは即座にクラウド上にある当社の動画配信プラットフォームにインターネット回線を介して送られます。
5.競技動画は当社のプラットフォーム上で、PC用、スマホ/タブレット用にそれぞれ数種類のフォーマットに自動変換されて視聴する各種の端末に最適なフォーマットで配信されます。
6.CMは、PC向けにはあらかじめ決められた時間になるとCM配信専用のサーバーから事前に設定されているローテーションに従って前述の専用ビデオプレーヤーに配信/再生されます。
と、このような仕組みや作業を経てライブ動画はお手元でご覧いただけるようになっています。
あと1週間で始まるマスターズ2016、4日間毎日8時間、深夜から朝までライブ配信を実施いたしますので、地上波/BSと合わせて是非ご覧になってください。
Sportel Asia
先週シンガポールで開催された、「Sportel Asia」というイベントに参加してきました。
これは世界中のスポーツコンテンツに関するメディアビジネスの展覧会、とでも言いましょうか、放送局などのメディア、放映権を持つエージェンシー、権利元であるスポーツ団体など、多くの方々が集まっておられました。日本からは8団体のみの参加で、当社はその1社だったわけですが、このような機会でないとなかなかコンタクトが取れない様々な方々とお話しができ、貴重な機会だったと思います。
開催中、いくつかのトピックに関して、トークセッションが行われていましたが、マーケットとしては中国、分野としてはデジタル、とりわけライブストリーミングサービスについてが多かった印象です。中国は最近の思わしくない経済状況にありながら、未だアジアでは非常に大きな市場であり、まだこれからもスポーツにおいては成長が期待される場所と認識されているようです。(皆言葉を選んで発言していた国有メディアとの微妙な関係もありますが…)
またライブストリーミングに関しては、広告モデルの他に、これからを考えた場合、課金モデルは重要であるものの、まだまだ視聴者がお金を払ってコンテンツを視聴するという状況には至っていない、という現状などが多く語られていたかと思います。
参加者もアジアのコンテンツに関しては1次権利元(リーグ、協会などの団体)はほとんどなく、欧米のエージェンシーが多かったことも現状のアジアにおけるスポーツビジネスを表しているかと思います。
海外で相撲を放送しているチャンネルのブースもありましたが、海外では相撲は神事ではなく格闘技とみなされますし、キャプションの入れ方もストリートファイターのようにカッコよく描かれている点は印象的でした。
また帰りに1つミーティングがあったため立ち寄ったクアラルンプールですが、やはりシンガポールに比べると発展はまだまだこれからという街の雰囲気でした。ただ、その中にあっても非常に近代的な施設もあり、国土の広さや人口の増加状況などを見ると、スポーツを含む経済発展の可能性を感じさせる場所でした。
スーパーラグビー2016 開幕
いろいろな意味で話題を集めているスーパーラグビーの2016年シーズンが先週幕を開け、新規参入となった日本のチーム「サンウルブス」が2月27日(土)に秩父宮ラグビー場で開幕戦を迎えました。
スーパーラグビーは、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ共和国の各クラブチーム間で競われる南半球最大の国際ラグビーのリーグ戦で、今シーズンから新たに日本とアルゼンチンが加わって18チームが覇権を争う、世界最強のリーグ戦と言われているものです。
スーパーラグビーへの日本の参加は1年以上前に決まっていたものの、ヘッドコーチ(監督)が決まったのも、選手名簿が発表されたのもたったの2ヶ月前で、2週間前に実施されたトップリーグ選抜との試合では、サンウルブスのフォワード陣は当日の試合で初めてスクラムを組んだというほどチーム作りのための時間がほとんど無かった中での初陣でした。
サンウルブスは日本で唯一のチームですが、クラブチームという位置づけであるため日本代表チームともまた違ってさまざまな国から選手が集まっていて、昨年まで他のスーパーラグビーチームでプレーをしていた外国人選手もたくさん名を連ねています。
キャプテンを務める堀江翔太選手もその一人で、一昨年まではオーストラリアの1チームであるレベルズでプレーをしていました。さて、試合は南アフリカのライオンズという昨シーズンは南アフリカカンファレンスで2位、スーパーラグビー全体では8位という成績だったチームとの対戦で、残念ながらサンウルブスは26対13で “大方の予想どおり” 敗戦となりましたが、ヘッドコーチのマーク・ハメットが1ヶ月ほど前に行ったフォーラムでの講演では、言葉は濁したものの、今シーズンは “1勝できれば御の字” とも取れる発言をしており、サンウルブスにとっての初年度の今シーズンはそれほどまでに厳しいシーズンになることは覚悟の上だったようです。
それを裏付けるように、試合後のメディア取材でハメット氏は「敗戦スタートは残念だが、今の状況下では今日の試合は予想以上に良くできた」という趣旨のコメントをしており、今シーズンだけでなくより長いスパンでチームを作って行こうという考えが窺い知れる内容でした。
初戦の秩父宮は2万枚のチケットが前売りで完売し、当日券販売は無し、スタンドは超満員でした。サンウルブスは敗戦スタートでしたが、キャプテン堀江選手の唯一のトライは今後の展望に光が射したプレーでした。
いずれにしろ、2019年にラグビーのワールドカップ開催国となる日本が、さまざまな世界の強豪と対戦する機会を増やし、選手/チームが強化されていくだけでなく、昨年のワールドカップでの日本代表の大活躍以降のラグビー人気の沸騰が冷めることがないことを願ってやみません。 ところで、スーパーラグビーの統括団体はSANZARという団体で、当初からの参加国である南アフリカ(SA)、ニュージーランド(NZ)とオーストラリア(AR)を組み合わせた名前なのですが、そのSANZARは先日この名前にもう一つの「A」を追加し、SANZAARと改称することをアナウンスしました。追加されたAはアルゼンチンのAだそうで、SANZAR時代のロゴにも新たにアルゼンチンが追加されて4つの国の象徴が描かれていますが、日本はどうなっているんでしょうね・・・?