America’s Cup
またアメリカスカップネタ?と怒られそうですが、先日オラクルチームの代表のRussell Coutts氏とお会いして今回の奇跡の逆転劇の話しをうかがいました。
ニュージーランド出身のCoutts氏ですが、今回のレースではアメリカチームの代表としてニュージーランド艇との対戦となり、多くのニュージーランドのサポーターからも注目されていました。 本人に今回ニュージーランドに戻った時のリアクションについて伺いましたが、さすがにヒーローの帰還と言う訳ではなかったようですが、テレビなどのメディアにも出演する機会が多かったようです。 負けた相手がニュージーランド人が代表するチームだったという事で、良かったようです。 しかし、アメリカスカップ無敗伝説は今回も続き、1995年、2000年、2003年、2010年に続いて2013年の勝者という記録は素晴らしいですね。
さて、去年のアメリカスカップで対戦成績が1-8であと一敗すれば全て終わる状況から奇跡のカムバックや奇跡の逆転劇と世界中で言われるような展開をしたのですが、チーム全体で勝ち取ったとコメントされていました。
さすがに、地元有利で第34回大会がサンフランシスコで開催された訳ですが、ニュージーランド艇の戦略や船の性能の差で連敗が続いてしまった訳です。普通ならばあと一敗で終わり!と考えるのですが、チーム内では残された8レースを全て勝つためにトレーニングをして来たと奮起し、クルーだけでなく船の設計チームやエンジニアなどが毎日徹夜で改良を加えて勝ち取った勝利でした。
実際にヨットの改良はレギュレーションの事もあり、調整できる範囲内での作業だったようですが、スピードや操舵性能などは著しく良くなり、それと同時にクルーもその性能を100%活かせるように全員が全く違う設定に慣れる事から反撃が始まったとの事でした。30%は性能アップと70%はクルーの努力だとのクーツ氏のコメントが印象的でした。
クーツ氏は自身のニュージーランドのチームに対しても、厳しい言い方かも知れないが、「あと一勝すればいい」と言う考えを持った時点でオラクルチームに反撃のチャンスを与えてしまったのでは?とのコメントでした。 確かにレース中のクルーにしても1-8になってからはベストチームでは無く、全員に出場するチャンスを与えてるのでは?と思うほどクルーの人選をしたり、「あと一勝する!」と言う思いが欠けていたのかも知れませんね。
次回のアメリカスカップは2017年夏に開催される予定ですが、すでにニュージーランドだけでなく、スウェーデン、オーストラリアに加えて今回オラクルチームで活躍したベン・エインスリー氏もイギリスのチームのスキッパーとして参戦が決定しているようです。 アジアからは中国も参戦する予定のようですしスイスやフランスチームも資金集めの最終段階のようです。 ぜひ日本のチームも参戦できれば良いですね。