2014.06.16

マン島 TT

20140616_01英国とアイルランドを分けるアイリッシュ海の真ん中に位置するマン島。 タックスヘイブンとして有名ですがバイク好きに取ってはツーリスト・トロフィー、もしくはTTと呼ばれている5月末から6月にかけて2週間行なわれる公道レースが一番気になります。

日本のバイクメーカーも60年代の優勝をきっかけにして世界のバイク愛好家に認められたようにバイクの性能が問われる過酷なレースで、レース場ではなく、なにも安全対策のない公道を平均時速200キロ以上のほぼエンジン全開状態で走るために、ライダーはバイクに命を託さないと行けないわけです。

このTTレースには熱心なファンは英国やアイルランドだけでは無く、ヨーロッパやアメリカからも集まってきます。 マン島の独特な行政システムでは、スピード違反は取り締まれないので、ほぼ無法地帯になってしまう程ですが、毎年訪れる一般ライダーの中には事故や最悪の場合死亡事故に巻き込まれます。 日本だと死亡事故が起こったら“即”大会の中止などを考えるかと思いますが、ライダー達の“自己責任”と言う事で安全運転のアピールをする程度です。

一般ライダーでもこういう状態ですので、レーサー達の間でも残念ながら死亡事故が毎年起こります。 今年も数名のライダーが命を落としたようです。

文字通り“命がけ”でも参加するのにはそのレースの伝統を超えた何かがあるのかもしれません。

今年の総合チャンピオンはダンロップと言う、昔の名ライダーの甥が獲得しましたが、常勝していた日本メーカーのバイクでは無くドイツのBMW製のバイクでの栄冠でした。60年代に日本のメーカーがチャレンジしたように、ヨーロッパのメーカーも王座を勝ち取る為に、巨大な予算を使っているようです。20140616_02日本人に取って良い話題がありました。 今回3度目のチャレンジとなる電動バイクがゼロ・エミッション部門で優勝しました。そうです、電池とモーターで走るバイクですが、60キロ近い公道コースを平均時速200キロで20分を切るタイムですから電動バイクとは思えない性能ですね。 “電神”3 と言うモデルだそうですが、なぜか地元のメディアではDenn Shin San と呼んでいたのが笑えました。

今週末はいよいよルマンです。去年もそうですが、トップチームはすべてハイブリッドです。 今回の電動バイクもそうですが、ハイブリッドのルマンレーサーが主力になるとは本当に凄いですね。

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