Americas Cup
2017年に開催される次回のアメリカスカップに向けて、新しい船のルールが発表になりました。 去年開催された大会で使用されたカタマラン(双胴船)とウイングを使ったデザインはそのままですが、長さが72フィート(約22m)から62フィート(19m)と3メートルほど短くなり、それを扱うクルーの数は11人から8人になりました。
小さくなった船体でも前回と同等、もしくはそれ以上の性能が期待されており、キールの独特なデザインで高速では船体を浮かせる技術もそのまま使われます。
これらのルールチェンジは、各チームの金銭的な負担を少なくする事が第一の目標だそうです。 実際に72フィートと62フィートでは構造的にかなり違い、使われる炭素繊維の素材の量だけでも大幅な節約になるとか、、 それでも莫大な予算が必要な訳ですが、2017年のレースに向けてすでに5カ国から手が上がっているようです。
チャレンジャーでオーストラリアやニュージーランドに加えて、今回一番注目されて話題になっているのが前回のアメリカスカップで優勝したチームOracle USAの主要メンバーだったイギリスのオリンピックメダリスト、ベン・エインズリーの率いるチームGBかと思います。 チームメンバーの25%は代表国の国籍を持つ者と言うルールも加えられた中で、オリンピックメダリストを輩出して来ている英国のヨット界には多くのスーパースター達がいるだけでなく、今回のキャンペーンにはF1のレッドブル・チームのチーフエンジニアだったエイドリアン・ニューイー師が参加する事も先日のカナダグランプリで発表されました。
エイドリアンはF1の中でも空力の魔術師と呼ばれるほど、その技術では他のチームを引き離し、レッドブルの連続優勝などに貢献していました。 アメリカスカップはF1以上に空力の影響が大きく(風の力だけで動くわけですよね)他のチームも彼の今回の参加には今から注目しているようです。