Hawk eye
ウインブルドンはマスターズと同様に場内看板を見る事はありません。 他のグランドスラムのエベントでは協賛スポンサーの看板がコート中、ありとあらゆる場所に表示されていますが、この写真でお分かりのとおり、ラインジャッジの後ろに小さくボールサプライヤーのスラセンジャーのマークが見えるのと、場内に2カ所あるスコアーボードの上にあるオフィシャルタイマーのロレックスのロゴぐらいしか見る事がありません。
さて、このスコアーボードはスコアだけでなく、ホーク・アイと言う試合中のきわどい判定に対して選手がアピールした際に使うシステムの表示も行なわれます。 ホークアイのシステムはコート上に設置された数台のハイスピードビデオカメラとそれを解析するコンピューターシステムで構成されますが、写真にあるように、どこにボールが着地して、それがラインに触れているかどうか?を判断して画像表示できるシステムです。 時速200キロ近いスピードで飛んで来る67ミリのテニスボールがどのぐらいの大きさや角度で接地するのかは、スピードなどかなり高度な計算を瞬時にする必要がありますが、それを可能にしています。
グランドスラム大会では、2006年のUS Openで初めて使用されて、テレビの視聴者はその判定を見るだけでなく、IBMのPoint Tracker(ポイント・トラッカー)と言う試合の全ての着地点やボールとラケットの関係を3次元で表示するシステムと組み合わされて試合の展開を数値的に見る事もできるようになりました。2007年のオーストラリアオープンでルールに導入されて1セットで2回までのチャレンジが認められ、その後は3回までに増やされました。間違ってない判定の場合その後使えるチャンスが少なくなるルールですので、乱用はされない訳です。 フレンチオープンだけはこのシステムを導入していません。そういえばクレイコートですから、ボールの跡が残るんですね。審判はその都度椅子から降りて確認する訳です。
このIBM の技術を使って中継では試合中のボールの動きをスローモーションでいろんな角度から見る事もできる訳で、どのようにボールが変化したとか見ていても楽しいです。 しかしそのデータを中継でどのように使うかは、放送のディレクター次第なんですが、アメリカの中継は頻繁に使うようで、イギリスのBBCではデータとしてまとめるぐらいと、その国やネットワークのスポーツに対する報道の姿勢を見る事ができます。