2010.02.24
OPEN – アガシ自伝
アンドレ・アガシ(Andre Agassi)と聞いてシュテフィ・グラフ(Steffi Graf)と結婚したテニス選手って答える方には是非読んでいただききたいのが、この「OPEN」というアガシの自伝です。
去年(2009年)発行されたのですが、発行当時、アガシの薬物(覚醒剤)使用について書かれていることからスポーツ界だけでなくメディアからも暴露本として注目された本ですが、タイガー・ウッズ(Tiger Woods)のマネージャーに読ませたいぐらい、薬物使用に関しても上手に扱われてました。
この本、冒頭はマルコス・バグダティス(Marcos Baghdatis)とのUSオープンでの試合からはじまります。その試合を実際に現場で見ていたので鮮明に覚えておりますが、アガシが傷めた背中をかばいながらプレーしていた様子が本人の視点から書かれており、すぐ話に引き込まれました。トップレベルのプロテニス選手の試合や、他の選手との関係や思いなどアガシ本人でないと書けないことが多いのは、テニスファンにはたまらない内容です。
アガシの語るプライベートな部分もよく書かれており、本人の人柄だけでなく、育った環境や父との関係などあまり知らなかった逸話が面白いですね。内容だけでなく非常に文章力もあるので他のアスリートの自伝同様にゴーストライターの手になるモノかと思って読みましたが、最後にちゃんとネタ明かしがされていました。アガシ本人がテープに話を録音、それをスタッフが試合内容などを検証してプロと一緒に書き上げたそうです。
テニスファンだけでなく、スポーツに興味ある方に是非おすすめしたい一冊です。