2009.11.30
0.1秒の世界
「号外!一秒の世界」の続きです。陸上競技のスタートでフライングのルールを詳しくご存知の方は少ないと思います。ピストルの音より前に走り始めたらフライング??ってことだと皆さん思われていると思いますが、実は違うんです。今日の“コンマ1秒の世界”はそのフライングの話です。
現在、IAAF(国際陸上競技連盟)のルールではピストルの音から100ミリ秒以内に動き始めたらフライングとなります。要するに音を聞いて体が反応をして走り出すまでの時間は100ミリ秒かかるハズだという研究データを元に決められたそうです。
コンマ1秒以内に動き出すのは“勘”だ!というのが今のルールですが、実際はどうなんでしょうか?
今年の7月にIAAF のHPに掲載された記事によりますと、フィンランドで行なわれた高速度カメラを使ったり、理学的に検証をした研究データを元に80ミリ秒まで短縮してはどうかと至急検討をするようIAAFに提言されたそうです。
今年(2009年)のベルリンで行なわれた世界陸上で世界記録を更新したウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)の記録が9.58秒でした。現行のルールで計算すると本当のスタートダッシュの時間は 9.48秒!!!だった訳です。これが80ミリ秒ルールになるだけで9.50秒!!が記録になる可能性もある訳です。