バッテリーの話
この写真を見てこれが車のバッテリーと言える方はかなりの自動車“通”か、自動車関連のお仕事の方です。「通常6セルだが、これは4セルだ!!」とビックリされている方はかなりのオタクです。
これはポルシェ911GT3、911GT3 RS、ボクスタースパイダー向けに最近発表されたオプション・バッテリーなのです。自動車のバッテリーがどこにあるかご存知ない方にはまったく興味がない話かとは思いますが、ちょっとお付き合いください。
通常、自動車のバッテリーは鉛を電極に使ったものだったのですが、今回ポルシェが発表したこの新型バッテリーは携帯電話などに使われるリチウムイオンバッテリーを大きくしたモノで、縦横のサイズは従来と同じサイズながら、高さは約70mmと低く設計され、通常モデル比で10キロも軽い、6キロだそうです。また、通常の鉛バッテリーの場合、セルは2V設定なのですが、今回のバッテリーは3Vにすることで、安定化とセル毎の電気的なモニター等もできる回路も組み込まれたハイテク仕様となっています。
以前の日記「電気自動車」のなかで、電池の容量はAh(アンペア・アワー)で表記されることを書きました。通常のバッテリーは60Ahなのですが、これは12Ahですので容量はちょうど五分の一。大型のバイクでも19Ahぐらいのバッテリーを使っているのでちゃんとスターターが回るのか心配ですが、普通のバッテリーに比べると内部抵抗が少ない点や充電エネルギーを100%使えることなど、リチウムイオンバッテリー特有の性能が自動車用としても十分な性能を発揮するそうです。長寿命である点や、何回も放充電を繰り返えせるとか、自己放電が少ないのでしばらく乗らなくでもバッテリー上がりが少ないなど、よいことばかりのこの電池バッテリーですが、オプション価格はなんと1,904ユーロだそうです。ユーロ安とはいえ23万円也!! 日本のディーラーでは恐らく30万円+のお値段が付くかもしれません。いろいろなメリットがあるとはいえ単純に10キロ車重を軽くするにため23万円の価値は???
こういう電装系のモノは日本のお家芸のはずです。技術面だけでなく、コストも下げた商品を是非開発してもらいたいと思います。通常バッテリーの2倍ぐらいのお値段ならメリットも考えると購入する方は多いと思います。それともダイエットして体重を10キロ落とせば効果は同じかも。
マイレージ、マイライフ(原題:Up in the Air)
この日記を読んでいただいている方からよく“毎年どれぐらい出張されてますか”とか、“マイルが貯まるでしょう?”とかコメントをいただきます。
機内でジョージ・クルーニー主演の映画 “マイレージ、マイライフ(原題:Up in the Air)” を観ました。日本では未公開の映画だと思いますが、クルーニーが仕事で世界中を飛び回る主人公として幻の生涯1,000万マイル達成を目標として飛行機とホテルを我が家のようにして生活する様子が旅行の裏技と共にコミカルなタッチで語られている映画です。
実際にはこの映画に登場するような1,000万マイル達成者に与えられる金属製のカードとかは存在しないそうですが、いくつかのシーンで使われたConcIerge Keyはアメリカンエアライン(AA) の特別な顧客には用意されているそうです。映画の中ではグラファイト製の黒いカードですが、実際は違うそうです。
私は以前イギリスで働いていましたが、その頃が一番出張していた時期でして、毎週のようにヨーロパに行くだけでなく月に2回はニューヨークに行ってました。日本にも2ヶ月に一回ぐらいのペースで出張してました。その時メインに使っていた航空会社では当然最高のステータスなんですが、Personal Account Managerが担当に付いてくれまして、電話一本で満席の便でも予約は必ず取ってくれたり、アップグレードは空席があれば当然してくれました。飛行機は一番最初に降ろしてくれるは、空港では職員の方が案内してくれるなど、今の航空会社の経営状況を考えると夢のような世界ですが、懐かしいです。
映画制作にはアメリカンエアラインが全面協力しています。AAは1982年に世界で最初にマイレージプログラムを開始して以来、一番メンバーの多い(880万人)プログラムを持っています。
さて私の生涯飛行距離、、残念ながら正確な数字がありません。最近のマイレージプログラムはクレジットカードの利用とか、ビジネスクラスとかの割り増し分、提携ホテル、レンタカーや機内販売の利用までマイルに加算されるので正確な飛行距離は分からないんです。しかし、数年前までは紙の切符(最近はe-ticketで記録が残らない)でしたので、それはほとんど残ってますから時間がある時にまとめてみると面白いかもしれません。社会人になってから30年で100万マイル以上は飛んでいるかもしれませんが、それ程生涯1,000万マイルは夢のような数字かと思います。
映画で一番印象的だったのは主人公のセキュリティーチェック時の計算された動きでした。アメリカの空港では靴は当然脱がされますし、ベルトまでとってチェックされますが、トレーの並べ方から靴の脱ぎ方、ベルトを取ってパソコンを出して。まるでダンスを見ているようでした。
Up in the Air、空の上って意味だけでなく、私は“足が地につかない”という意味で使うことが多いです。この主人公は結婚もせず、家族とも疎遠になり、恋愛は出先のホテルでの巡り逢いのみ、足が地についてない生活。 コメディーなんですが、とても意味の深い映画でした。日本では3月20日公開されるそうですので是非、、
あと、今日の日記は機上から!
飛鳥 II
最近の調査で、定年後にやりたいことに必ず出る回答は夫婦で世界一周のクルーズだそうです。
郵船クルーズの運行している飛鳥IIは日本籍のクルーズ船のなかでも最大の排水量。今年も来月から102日間(4月4日-7月16日)世界一周の旅に出港するそうですが、客室はほぼ完売だとか。
私の両親も去年この飛鳥IIの世界一周に参加して、浮かぶホテルならぬ後期高齢者施設を堪能してきたようです。戻ってから半年以上になりますが、会うたびに話題になりますのでかなりコスト・パフォーマンスの高い旅行ですね、、クルーズ中もダンス教室とか、著名人の方の講演やコンサートなどが毎日あり、それも人気の理由で何度も世界一周に参加される方も多いとか。帰国してからも”戦友”ならぬ”船友”との交流も続いているようで、仕事を通じてのおつきあいとは違う楽しさがあったようです。
桜の咲く日本を後にして熱帯のシンガポール、中東、スエズを経由しヨーロッパ、北欧、北大西洋、アメリカ、カリブ海、パナマ運河を抜けて太平洋、って考えて見るだけでも気が遠くなります。私にとっては飛行機だったら12時間も飛べば地球の反対側まで行ける時代に、ユックリ時間をかけて移動することは非日常的です。携帯電話やインターネットの使えない(限られたサービスはあるようですが)生活も考えられません。
大先輩の方で、氷川丸で横浜からアメリカに留学された方がいらっしゃいます。その方も数年前に退職を記念して飛鳥で横浜港から世界一周の旅に出たそうですが、その時に山下公園前の横浜港に係留されている氷川丸を見て感激されたお話を伺いました。本当の卒業旅行ですね。
Dulce de Leche(ドゥルシェ デ レチェィ)
先日、ある方から食の話題が少ないとご指摘をいただきました。そこで今回はロンドンにあるアルゼンチン・カフェFreggoのお話。
実は妹の家族は仕事でアルゼンチンのブエノスアイレスに駐在していた時期があります。食い気の盛んな時期をブエノスアイレスで過ごした甥は食べたデザートの話をよくしてくれます。出張をする時にはアメリカのナントカいうシリアルを買って来てとか、甘党なのか甘いもののリクエストが多いです。
この写真はFreggoでいたいた、練乳で作った Dulce De Leche(キャラメル味)とかいう聞いただけで甘~い感じのケーキ。ひとつ6.50ポンド。900円ぐらい。食感は固いケーキか柔らかいクッキーのようなんですが、味はとにかく甘い! 当然エスプレッソのダブルを流し込まないといけない甘さですが、固めのチーズケーキのような雰囲気です。
妹家族にお土産で持ち帰りました。アルゼンチンの味がしたんでしょうか?
最近、アルゼンチンのフォークランド諸島にイギリスの石油採掘調査が入ってフォークランド紛争(1982年)の再発か?とか騒がれておりますが、こういうスイーツを食べて、あま~く話し合っていただきたいものです。
外車に思う
外車って聞くとまずベンツ、ポルシェ、フェラーリとかいう名前と一緒に、左ハンドルの車というイメージが大きいですね。
輸入車は生産本国の都合でアメリカとかヨーロッパではほとんど右側通行に対応した左ハンドルが一般的でした。外車=左ハンドル=高級っていうイメージが確立されたわけですね。
もちろん、生産台数の少ない車や特別な車は左ハンドルしかない場合もありますが、ほとんどの外車は今ハンドルが国産車と同じ”右側”にある設定があります。当然、イギリスのベントレーやアストンマーティンなどの生産国のモデルは右ハンドルです。
東京で車を運転していると、何故かその右ハンドルの設定があるにも関わらず左ハンドルの車を愛用されている方が多いです。実際に運転してみると交差点や追い越し時の視界の悪さだけでなく、不便で危険な場合もあります。同じ左側通行で右ハンドルのイギリスでは左ハンドルの車は保険料が同じ車種でも右ハンドルの車に比べて割高です。日本では逆に右ハンドルですと下取り価格が悪くなるそうで(右ハンドルの中古を探す方には朗報です)敬遠されているそうです。
先日、BMWの方に伺ったところ、最近は右ハンドルを購入する方がほとんどで、左ハンドル指定で新車を購入される方は10%ほどだそうです。
ずっと左ハンドルに慣れてる方も多いかもしれませんが、最初に運転免許を取った時は(海外で取得された方は別ですが)右ハンドルで教習を受けたわけですので、右ハンドルの設定のある輸入車は左ハンドル禁止!としてもよいのではないでしょうか。駐車場や高速道路の料金所ではご丁寧に左ハンドル専用の機械を設置しているのもお金の無駄ではないでしょうか?
写真は日本のフェラーリの代理店から送られて来たものです。430スクーデリアというサーキットとかも走れる高性能スポーツモデルです。この右ハンドルのフェラーリ、ラッキーな本当の車好きの方が購入されるんでしょうね。