フェアウェイ脇で、、、
マスターズの期間中、ゴルフ場というよりはむしろ高速道路でスピード違反の取り締まりに使うような機材がオーガスタの各ホールに設置されます。オペレーターの方も何処かのシェリフのような方でしたが、これは各選手の飛距離をリアルタイムで集計するための機材です。
トーナメント期間中は各選手のフェアウェイ・キープ率だけでなく、各ホールでの飛距離が記録され、プレスルームで情報が入手できるだけでなく、インターネットでの配信のデータにもなります。
ちょっと前までは実際に係の方が目測で計っていたのですが、このGPSのシステムですと1インチ(約2.5cm)単位まで正確に計測できるのだそうです。ずっと同じ場所でゴルフボールを追っかけるこの仕事、キツい仕事でしょうが、ゴルフ・ファンにはたまらないでしょう。
“藤”
マスターズ期間中はオーガスタナショナルGCの各コースの花々が最高な時期でもあります。開幕前の天候によって開花時期が若干違うのですが、今年一番見事だったのがこのウィステリア(Wisteria)、日本でいうところの“藤(フジ)”です。
非常に見事だったので思わず写真に撮ってしまいましたが、10番ティーの脇の木にしっかり巻き付いてまるで寄生しているかのようでした。
Masters in 3D
今年のマスターズの放送で一番話題になったのが3Dでの放送でした。マスターズは他のトーナメントに先駆けてカラー放送やハイビジョン放送をやって来た実績もあり、アメリカ国内でもまだ3,000台ぐらいしか受像機がないのですが、アメリカのケーブル局、コムキャスト(Comcast)で放送されました。
実際にスポーツ中継の3D放送はアメリカではかなり話題で、取り組みも早いようです。やはり一番人気はアメフトで、昨シーズンのNCAA(全米大学体育協会)の試合が初めてでしたが、今年のNCAAのバスケットボール・ファイナル4の試合はアメリカネットワークのCBSがアメリカ国内の劇場で3D中継を行なって話題になってました。中継車にも行ってみましたが、プロデューサーやディレクターも全員同じような眼鏡をかけていたのには笑えました。真面目な仕事場なのにすいませんでした。
さて3D対応の受像機ですが、トーナメント関係者の入れるホスピタリティールームに設置されていました(左上段画像)。ソニー・エレクトロニクスが協力して機材を提供しています。実際にみた感想は、、、とコメントしたいのですが、なぜか私は眼鏡をかけても3Dに見えないんです。数パーセントの方は私と同じように技術によっては3Dで見えないことがあるそうですが、見ることができた方はかなり感動されてました。
ロンドンで足止めをされて、、、
ヨーロッパの法律では航空会社は予定のフライトをキャンセルした場合は目的地まで代わりの交通手段か、新しいフライトが出るまでの乗客の常識内でのホテル代を出す義務があります。しかし、今回の運行停止は航空会社に非がある訳でもないわけですし、天災(アイスランドの火山噴火)ということで代替え輸送はともかくホテル代に関しては各社対応が違うようです。一泊分だけ出してもらった方もいますし、何も出ない方やすべて航空会社で手配してくれた乗客もいるわけですので、再開したものの対応が大変でしょうね。
さて、持て余した時間の活用法。皆さん同じようなことを考えていたのか、以前日記に書きましたが、ゴッホの手紙とその時代に描かれた作品を同時に展示されてましたので、ロイヤル・アカデミー・オブ・アート(Royal Academy of Arts)はご覧の通り長蛇の列でしたが、並んで見てきました。
当然、博物館内は撮影禁止ですので写真はこれだけですが、28歳で画家になろうと決心していろんな作風のトレーニングをしている様子や、生まれたオランダをはじめ、イギリスに滞在していた頃、フランスに渡りパリから南仏に移動した頃の手紙など、オランダ語だけでなくフランス語や英語でも手紙が書かれておりました。絵画だけでなく、聖書も含め本もよく読んでいるようで、手紙の中で引用されている文章は素晴らしいものです。
我々日本人にとって印象的だったのはゴッホが日本の浮世絵に興味を持ち、北斎などの例をあげて1888年の作品では北斎の作風を真似した作品が作られていたことでした。 決して天才ではなく、また遅くから絵を書きはじめたからでしょうか、いろんなスタイルに感化されていく姿が印象的でした。
今度時間があれば是非アムステルダムのゴッホミュージアムに行ってみたいです。
パトロン アンケート
火山灰の影響で予定より1週間以上遅れて帰国しました。
週末、マスターズで撮影した写真を整理していたら見つかったのが下の二枚。マスターズの期間中コースの中にパトロン(オーガスタではギャラリーをこう呼びます)へのアンケートを実施している場所が何カ所か目立ちました。
質問内容は、何処から来たかと、滞在先にはじまって、今後どのようにトーナメントを運営すべきかなど、かなり細かい質問が並んでました。このリサーチが今後のトーナメントにどのように反映されるか楽しみです。それにしても、世界一の大会とはいっても常に改善すべき点、進化する必要性を認識しているのはすごいです。我々も学ぶところが多いですよね。
さて、この施設ですが、オーガスタナショナル/マスターズは長年IBMと一緒にパートナーとしてインターネットをはじめ最新の情報通信技術を提供して来たことの一環です。タッチパネルになっていて雨に濡れても大丈夫な作りはきっとほかでも使える技術だと思います。
ゴルフ以外でも興味深い発見があるのがオーガスタですね。