典型的なイギリスの風景
イギリス人は散歩が好きです。個人の敷地内でもFoot-path(フットパス)と呼ばれる歩道が整備されており、自由に入って散策が楽しめます。
上の写真にある、一人しか通れないようにしてあるゲートは放牧してある家畜が逃げ出さないような仕掛けなんですが、最初はちょっと戸惑いました。慣れたらスムースに通行できますが、このゲートはKissing Gateと呼ばれるそうです。カップルで散歩をしてこのゲートを仲よく二人でキスをしながら通りなさい!って意味だとか、、
全英オープン
今週はゴルフのメジャー大会、全英オープンが開催されます。スコットランドのセント・アンドリュースが舞台になりますが、優勝者が手にするのはこのトロフィーです。クラレット・ジャグ(Claret Jug)と呼ばれますが、直訳するとクラレット(仏ボルドー地方産赤ワイン)を入れる容器(デカンタ)です。今年で150回になる全英オープンですが、このトロフィーの原型となるクラレット・ジャグは1872年に作られたと記録されてますが、現在使われているトロフィーは1928年に作られたそうです。
優勝者はこのトロフィーを持ち帰り、1年間キープできるそうです。オリジナルの他に3つレプリカが存在していて、ひとつはR&A(Royal and Ancient Golf Club of St.Andrews)に展示され、残りのふたつはエベントなどで使われます。
私が手にしているのはそのレプリカのうちのひとつですが、過去の優勝者の名前も刻印されておりますし関係者でないとオリジナルとの見極めはできないそうです。
1978年に、ここセント・アンドリュースで開催された全英オープンに出場していた中嶋常幸選手が17番でパットのミスからバンカーにつかまり、そこからの脱出に4つのストロークを失って優勝争いから脱落したのを皆さん覚えてますか? 今では17番のバンカーはトミーズ・バンカーと呼ばれていますが、中嶋さんは今どういう思いでこのバンカーをご覧になってるんでしょうね。いつも聞いてみようと思っていましたが、次回お会いした時に伺ってみます。
今年の優勝者は? 難しい予想ですが、おそらく最終日のプレー終了時点で最小スコアの方だとは思いますが(笑)
ロシアのスパイ
ニュースでロシアの美人スパイ、アンナ・チャップマン(Anna Chapman)容疑者らがアメリカで捕まって、冷戦以来最大のスパイ容疑者の引き渡しがロシアとアメリカで行なわれた件はニュースでご覧になってるかと思います。スパイ小説のようなことが実際にあるんですね。
さて、小説のような本当にあった元スパイの暗殺事件の舞台になったのがロンドンのピカデリーにあるこの寿司屋さんです。ロシアのスパイがロンドンの寿司屋で暗殺とはかなり凝った話ですが、2006年の11月に元ロシアの諜報員だったリトビネンコ(Alexander Litvinennko)氏が放射性物質を飲まされて暗殺された事件はイギリスだけでなく、世界中で話題になりました。このitsuというお寿司屋さんですが、イギリス人オーナーのチェーン店です。さすがに暗殺直後は板で全面が塞がれて(放射性物質ですから怖いですよね)店は閉じられていましたが、その当時でも“ここが有名なスパイ暗殺事件のあった寿司屋です”って看板が上がってました。今でもお店にはその事件の新聞記事が飾ってあります。
コレが日本で起こっていたら恐らくそのお店は閉店させてしまうでしょうし、仮に営業を続けても事件のことは公表しないでしょうね。こういう対応は新鮮ですし、ある意味真似をしてもよいかもしれません。危機管理能力も隠すだけでなく、観光名所にするような発想も大切かもしれません。
イギリスのスポーツシーズン
先週末はウインブルドン、来週の全英オープン、そして今週末はF1のブリティッシュグランプリが開催されます。イギリスのスポーツファンにとってこの数週間はテレビから目が離せません。サッカーでは残念ながらイングランドはドイツに負けてワールドカップは終わってますが、週末のオランダ対スペインの決勝戦はイギリスの夜ですので恐らくパブで多くのサッカーファンが遅くまで騒ぐでしょう。
またiPadネタで恐縮ですが、F1のアプリを購入して使いはじめております。画像で分かりますが、レース中の車の位置情報やラップタイムなどがリアルタイムで配信されて、それを見ることができます。今回初めてラップチャートを見ながらテレビの中継を見ておりましたが、若干の時間差がありますが、テレビの解説で含まれていないような下位チームの状況とか分かりやすく参考になりました。
今後のスポーツ中継ではこういうサポート的な情報が重要になると思います。野球で投手の球種のデータや、ゴルフの細かな情報などネットを介しての提供は今後ぜひやっていただきたいです。
ネット配信サービス、BBC iPlayer
イギリスの国営放送局BBCはiPlayerというインターネットで番組を無料で視聴できるネット配信サービスを実施しています。残念ながら著作権の関係でイギリス国内と放送終了から1週間のみの視聴という制限が付いておりますが、見逃した番組などを簡単に見ることができます。
実際にiPadで視聴したところ、フリーズすることもなくキレイに見ることができました。イギリス国内のインターネット環境は日本に比べると相当悪く、ブロードバンドでも2メガも出れば高速の部類です。そういう悪環境でもちゃんと作動するインフラととても使いやすい番組表などのシステムのアイデアはぜひ日本でも使わせてもらいたいくらいです。
使用するにあたり、、、という注意書きには、イギリス国内でBBCの受信料を支払っている方が対象云々と書いてありますが、当然、私のようなビジターでも見れるわけです。今後は課金モデルを考えているようですが、放送されたすべての番組が含まれておりますので日本でも同じように使えるならばケーブルテレビ並みの料金を支払ってでも見たいものです。
日本でもNHKが同様なサービス、NHKオンデマンドを開始しておりますが、課金モデルの上に使いにくいシステムは何とかして欲しいものです。番組内容もあえてもう一度見たい程ではないというのも理由のひとつかもしれませんが、日本でも来年(2011年)7月24日の地上デジタル放送への完全移行に際してこういうテレビ以外での視聴が増えるでしょうね。
当社も、Gotcha Media(ガッチャメディア )やCavea(カベア)と共にマスターズ(TBS)のハイライト画像や総合格闘技などのハイビジョン中継をネット上で実施して参りましたが、これからも積極的にデジタルメディアを活用する工夫をして行く所存です。