Royal Ascot
6月14日から18日にかけてRoyal Ascot競馬が開催されました。 競馬はイギリスでは王様のスポーツと呼ばれるほどプレステージの高いエベントでして、特に今回のようなクラシックレースやロイヤル・なんとかレースの場合は特にイギリス皇室の方が来場して盛り上がります。左の写真は女王陛下が馬車で来場される模様です。
そんな時の競馬場はまさに社交場です。 イギリスに住んでいた頃によく接待で行きましたが、写真のようにロイヤル・アスコットですとモーニング着用でネクタイを締め、山高帽をかぶり観戦しました。 英国の競馬場のルールで覚えておいて役に立つのは、入場料や切符の種類と服装が比例する事です。 スイートで食事をして観戦って事ですと女性はサマードレスに帽子、男性は最低でもスーツ着用です。
イギリスの皇族の子弟が通うような私立のイートン校やハロー校ではその寄宿生たちが日曜はモーニング着用で食事に出る事が規則にあり、高校生ぐらいがモーニング姿で街を歩いてます。 こう云う学校に行った連中はまさにジェームス・ボンドの世界でして、蝶ネクタイも朝飯前なわけです。 ですからこう云う連中が着飾ってもサマになるわけです。 服装文化の違いを感じさせられます。
おまけで日本の競馬場の写真も添付します。施設は立派で負けてませんが、残念ながら華やかさでは負けてますね。 ま、私がモーニングでネクタイを締めて日本の競馬場に行ったら係の方と間違えられます!
この競馬場の写真を見て先日の府中競馬場の安田記念と分かる方はかなりの競馬通です!!
ヒーロー達
いきなりウルトラマンじゃ無いだろう!!と怒られそうですが、政府やマスコミでぜひ取り上げていただきたいのは被災地で復興の作業をしている現地の方や、自衛隊員、警察や消防そしてボランティアの方々です。 先週のニュースである東京の医師が自分の休みを利用して日曜と月曜日に被災地の石巻で診療所を解説している事を紹介していました。開業医の方ですが、土曜の勤務が終わった後に新幹線で移動して週末を被災地で過ごす事を取材していました。 今の日本が必要なのはこうしたヒーロー達の話題では無いでしょうか?
首相や芸能関係者などが被災者を訪問する話は毎日のようにニュースで取り扱われてますが、原発で危険な作業をされている方などを激励に行かれた話は聞いた事はありません。おそらく政府もコントロールしているのでしょうが、国民全体が復興に向かっていくにはこうしたヒーロー達を前面に出してバックアップする必要があると思います。
アメリカ同時多発事故の後、アメリカ政府やマスコミは亡くなられた方に対するご冥福を祈ると同時に、消防士や警察官の勇敢な行動が賞賛され、当時のブッシュ大統領も真っ先に地元の消防署や警察署を訪問しました。 今でもマンハッタンに行くと消防署を感謝のために訪れてメッセージを残す方も見かけます。
日本でも復興支援を終えて戻られる自衛官やボランティアの方を見かける事がありますが、だれも声をかけません。 逆に福島ナンバーの車で移動でもしようなら、みんな避けて通ります。
アメリカでは同時多発テロ以降、国民は一つとなりました。 当然の事ながらヒーロー達を賞賛し、アフガニスタンやイラクなどから戻る兵士のグループに対して空港で起こる拍手を聞いた事が何度もありましたし、たまたま乗り合わせたフライトの中で一時帰国中の兵士が機内アナウンスで一番最初に降機させる旨伝えられ、着陸後に後ろの方に座っていた若い兵士が拍手で送られていた事もありました。 空港のバーで呑んでいる兵士にも話しかけたり、お酒を振る舞っている方も良く見かけました。
先日書いたように日本人の考え方の違いかもしれませんが、今だからこそこうした方を賞賛すべきかと思います。 皆さんも自衛官の方やボランティアの方を見かけたらぜひ声をかけてあげてください。
Le Mans Live!
今年のル・マン24時間レースはアウディが2位のプジョーに15秒の僅差で2年連続の勝利を飾りました。 24時間も走って、最後の土壇場で15秒の差!! レース内容もすごい展開ですが、今回はレースファンだけでなくインターネットの世界でも画期的なレースでした。
このようなメジャーエベントは地元の放送局だけで無く、各国のテレビ局に中継されて、少なくともスタートの映像やゴール前の数時間を中継されているのを見る事しかできませんでした。 また放映権料やスポンサーの関係で最近は日本でも受ける局が無く、今年はルマンも生中継が見れないとガッカリされていた方も多かったと思います。 地元のヨーロッパでさえスポーツ専門チャンネルが一時間おきにニュースとして流したり最後の6時間ぐらいの生中継でした。
しかし、今年のル・マンはアウディやプジョーなど自動車メーカーが自らの車の車載映像やレースの模様をインターネットで最初から最後まで24時間に渡って生中継しました。 ネット環境さえ整っていれば、全世界のファンの方が見る事ができた訳です。 もちろん、視聴料はタダ、、音声はさすがに英語やフランス語がゴッチャになった解説が入ってましたが、そこらは許容範囲内。
なぜこんな事が可能かと言うと、最新のインターネット映像処理の技術が格段に良くなったのと、コストが安くなった為です。 24時間も自社製品の事を世界中に対して配信する事ができる価値はテレビ放送では絶対になし得なかった事ですし実現したとしても莫大なコストが掛かりました。
これを機会にこのようなインターネット配信によるスポーツ番組などの中継は確実に増えて来ると思います。
当社では技術パートナーのガッチャメディアとライブ配信技術を数年前から実用化しており、世界のどこからでも配信する実績があります。またご案内させて頂く機会があると思いますのでお楽しみに。
因みに今月の25日~26日(ドイツ時間)に行なわれるNurburgringの24時間レースも同様に生中継されます。ぜひごらんになってください。
KTM X-BOW (クロスボウ)
バットマンが映画で乗っているようなこの車、オーストリアのオートバイメーカーKTMがインディのレーシングカーのシャーシーを作っているイタリアのダラーラ社と共同で制作している実際に市販されている車です。隣にある英国のロータスの車が小さく見えますが、全体がカーボンファイバーで出来ているこの車はポルシェぐらいの大きさです。
ドア無し、屋根なし、おまけにフロントウインドウ無しですので、これを運転するにはオートバイに乗るようにフルフェイスのヘルメットと雨の時には合羽が必要な車ですが、エンジンはアウディの2リッター、ターボエンジンに6速のマニュアルミッションが付いています。そこらはVWグループのどの車でも同じ感覚で運転できるようです。
この車のオーナー氏は先週フランスで行われたル・マンのレースをこれで観戦に行ったそうです! トランクが無いので、荷物は歯ブラシとパンツぐらいしか入らなかった?かもしれません。イギリスからドーバー海峡を経由して600キロ近くの走行距離になりましたが風の音などで、同乗者とも大声で話をしないといけなかったでしょうし、たいしたもんです。
ヨーロッパの車好きの連中はこのような体育会系の車で、サーキットで行なわれる走行会や、レースに参加するんですが、日本でこんな車のオーナーになるのも面白いかも知れません。 当然スーツを着て毎日乗れる車ではありませんので、普段のアシにはは健康の為に自転車とか、公共交通を使う事が前提ですが、700キロぐらいの車重に2Lのエンジンが付いているので燃費も日本車なみに良いでしょうし、 真夏はともかく、冬でも厚着をすれば大丈夫でしょう。
ニッチのマーケットかもしれませんが、こう云う車を世の中に出すメーカーは魅力的です。
日本はなぜ敗れるのか
先日、太平洋戦争を経験された方から”今の政府や東電の原発関連の発表や国民の反応は戦時中と同じだ”とのお話を伺い、以前読んだ山本七平さんの「日本はなぜ敗れるのか」を引っ張り出してきましたが、あまりにも戦中の日本と今の電力会社や政府の言動や一般の反応が似ているのでびっくりしました。
著者の山本氏は「日本人とユダヤ人」などを執筆され、日本人の分析に関しては賛否両論で話題になった方です。太平洋戦争を経験されたクリスチャンの方で、自の戦争体験や日本人に対する考えを中心に書かれていますが、実際には小松さんと言う方が戦時中、化学系の技術者として海外赴任中に経験された事を「虜人日記」を書かれておりその「敗因21か条」が元になっており、この本の副題にもなってます。
本書で言われている日本人の精神論による行動などは今だからこそ認識すべきと痛感しました。
たとえば”日本人は長期間の戦闘にはなれておらず、太平洋戦争の頃には国民の多数が既に戦争に飽きてしまい、疲れていた”と言う指摘がありました。たしかにそれまでの日清、日露戦争も短期決戦でした。 ”日本人は瞬発的には頑張れるけど、だらだら続くものには耐えきれずに「底なしの退廃」を生む”と本書は指摘しています。電力会社からは原発の工程表が発表されて、来年の3月までに収束と言っておりますが、最近のトラブルなどを見ると”想定外な事”が多過ぎてまず無理ですし、これから長期間続く事を考えるとこの言葉の意味が恐ろしくなります。 おそらくこれから何年も続くであろう原発との対応に我々”日本人”は耐えられるのでしょうか? われわれ日本人が戦争末期の「今更ひけない」と言う空気に支配され、玉砕、原爆、そして敗戦へと引きずられた事と同じだと言う予言として、いや忠告として考えた方が良いですね。
海外のメディアで流れている原発で起こった水素爆発の映像などは日本では見た事もありませんが、そんな政府発表や記者クラブの意見をそのまま流すマスコミの対応も”大本営発表、、、”と同じだと、戦時中のお話を伺った方が言ってました。
震災からもう3ヶ月、これから日本はどうすれば良いのか? こう云う時だからこそ、ぜひ読んでみてください。 首相や政府、電力会社など「悪者さがし」をしてそのせいにする野党の方だけでなく、われわれも日本人の考えの中にある問題点について受け止める態度も大切かと思います。