2010.03.01

電気自動車

20100301_01家の近所にスバル(SUBARU)のショールームがあります。いつも前を通っているのですが、昨晩まで黄色い電気自動車の充電用のターミナルがあったのに気がつきませんでした。黄色いポストのようなハコがその充電装置です。

一般の家庭や、特に都会のマンション住まいのドライバーにとって電気自動車(EV)を購入、管理する上で一番のネックが充電器ですね。写真の充電器は中速充電というステッカーが貼ってありましたが、おそらく業務用の200Vの電気を使って短時間で充電を可能にしていると思います。ご存知のとおり日本の家庭用電源は100Vですが、EVの充電器はほとんど200V以上を必要だそうです。EVに使われているモーターの出力はW(ワット)で表示されます。最近、カタログなどでも自動車の馬力表現もキロワット表示が増えています。

ここで学校で習った理科のおさらい。1馬力は75Kgw、すなわち1秒間に75Kgの質量のモノを1m移動させる力ですね。SI単位系で表記すると、1馬力(1PS)=735.5W!! キロワット表示ですと1馬力は0.7355Kwとなります。そうすると一般的な100馬力の車は73.5Kwってことです。

20100301_02写真のEVはスバルの軽自動車ステラ(STELLA)をベースとした「プラグイン ステラ」です。カタログによると最高出力47Kw(ってことは64馬力)で、最高速度は100km/h、90Kmぐらいの距離の移動が可能だそうです。そのモータを駆動する燃料タンクの役割がバッテリーです。その容量は9Kwh。これは単純に9キロワットの出力で1時間使えるバッテリーということですが、充電するには計算すると同じ9キロワット電流ですと1時間で充電完了。900Wですと10時間必要です。ワットWはボルト(V)とアンペア(A)をかけた数字ですので、家庭用の100ボルトですと9アンペアの電流で10時間って計算になります。もちろん充電効率とかロスがあるわけですので短時間で充電するにはより高電圧か、高アンペアの電流が必要です。

ヨーロッパの家庭ではほとんど220V電源が入ってます。イギリスは240V(感電したことがありますがかなりキツいですよ)、アメリカでも料理用や衣類の乾燥機で240Vの回路が家庭に入っているので、EVの充電器を設置する環境はすでにほとんどの家庭にあるわけです。急速充電に必要な70アンペアの回線も乾燥機用が流用されているそうです。日本はハイブリッド車が主流ですが、こういった電気インフラの影響も大きいですね。インフラ事情とはいえヨーロッパではかなり早い時期にEV車が増えるかもしれません。

今、中国で電動バイクがはやっているそうですが、ガソリンスタンドならぬバッテリースタンドが増えています。これはモジュール化したバッテリーをスタンドで充電するかわりにそっくり交換するビジネスだそうです。ひとつの解決策としても面白いビジネスモデルですよね。昔、オモチャのラジコン・カーを走行させるたびにニッカドのバッテリーパックを交換して遊んだことを思い出します。まさにオモチャの世界が現実化する日も近いかもしれません。

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