Any →All
Any とAllですが、直訳すると「あらゆる」と「すべての」となります。
契約書などではこのAny とAllの解釈の違いが出る場合もあり、その場合にはAny and Allと言うように使われたりします。
何故こんな話題かと言うと、今週末のF1シーズンの開催を前に、毎年行われるルールブックの見直しで、変更された部分が話題になっているからです。
昨シーズン、最終レース、最後数周のところで事故が発生し、事故車を撤去する間セーフティーカーが出てそれまでの順位を守りながら走行を続けていました。その間撤去作業も進み1位で走行していたメルセデスのハミルトンの間に周回遅れの数台を挟み2位のレッドブル・ホンダのフェルスタッフェンが走行してましたが、最後の一周セーフティーカーが入り、レース最終ラップを迎えるようになりました。
その時点で周回遅れの数台を先に進ませて、最後のラップでの勝負となりました。 結果は新しいタイヤに交換していたフェルスタッフェンがハミルトンを追い越し、優勝。年間タイトルも獲得しました。
このレースやり方をメルセデスチームは大クレーム。法廷闘争の直前まで行きましたが、周回遅れの車に対するルールは英文で、Any, lapped cars must un-lap themself before startとされていた文章をAll,lapped carsと置き換えて明確化し、曖昧さを無くしました。
日本語でも、”あらゆる”と”すべて”の違いは説明しにくいですが、解釈の幅を制限した言い回しなんですね。
F1ではルールを巡り、レース後に裁判所で勝負が決まったりした時期もありましたし、同様にヨットのアメリカスカップでは裁判沙汰はよくニュースになります。
優勝をかけた戦いはレースの前から”ルール”の解釈で勝負の行方が判らない?そういう抜け穴を見つけるチームの法律顧問の方も重要なチームメンバーなんですね。