Quality vs Speed その2
今年の6月16日は、あのIBMの創立100周年でした。 100年と聞いて、そんな昔からコンピューターを??と思われた方もいらっしゃるかも知れませんが創業当時は事務機器から始まったそうです。
このIBMの事を徹底取材してその歴史をまとめた“世界をより良い物へと変えていく”を日本IBMのブランド推進・宣伝部長から頂きました。100年のIBMの歴史をまとめた内容なんですが、日本で良くある”XX年記念本”みたいに、創業者や製品の自慢のいわゆる”社長本”とは違い技術だけでなく会社のカルチャーややり方などが中心に書かれており、興味深く読ませていただきました。
我々一般消費者にとってはIBMの商品を直接購入する機会は殆どありません。失礼かもしれませんがコンピューターとして身の周りに有るメーカーはアップルを始めとして、一般メーカーの物ばかりです。 しかし、B to Bの世界、即ち企業の根幹になるインフォメーションシステムとなるとIBM抜きでは仕事は考えられません。 今回初めて知りましたが、今スーパーマーケットやコンビニで商品を購入した際にレジで”ピッ”とやるバーコードの技術もIBMが最初に採用されて世界標準になったなど、こう云う事に興味があるので、とても面白い本でした。
昨日のアイルランドの古い織物工場の話とは全く違う、とにかく早くて高性能なモノをいかに効率よく安く供給するかという、本のタイトルのとおり、世界をより良い物へと変えて来たわけです。
しかし、今回知らなかったのですが、IBMは会社として技術以外にもワーキングスタイルも画期的な事をやって来ていたのには驚きました。今では一般的な男女平等雇用や、障害を持った方の就業など、アメリカでもIBMが最初に実施して来たそうです。 そういえば、私の知り合いのIT関連の日本代表の方の多くはIBMに在籍されて居た方も多く、優秀な人材も育てて社会に貢献して来たわけなんですね。副題の”企業を作り上げた大志”とはそれを支えてきた社員の方の考えなんですね。
世界をより良い物へと変えるのは、サービスや技術を提供するだけで無く会社運営を通して“世界を変えて行く”姿勢は参考になりました。会社の経営に関係する方は勿論、新卒でこれから就職する人達にもぜひ読んでもらいたい本です。
時間があればIBMの作った100周年のサイトもご覧下さい。英文ですが、100周年記念映像としてアポロ計画やバーコードの話など、プロジェクトXのような話はすごく面白いですよ!